MSI(マイクロサテライト不安定性)検査は、これまで遺伝性腫瘍症候群であるリンチ症候群のスクリーニングや補助診断のために利用されてきた検査ですが、この度、免疫チェックポイント阻害薬の適応判定に用いるコンパニオン診断薬としてのMSI検査が健康保険適用となりました。このように、リンチ症候群のスクリーニングを主目的としないMSI検査の場合は、1)検査の目的、2)検査の費用、3)リンチ症候群のスクリーニングにもなりうることを説明し、同意を得たことを診療録に明記した上で検査を実施すること、と「大腸がん診療における遺伝子関連検査のガイダンス第3版2016年11月(日本臨床腫瘍学会編)」に記載されています。
しかしながら、医療機関によっては、リンチ症候群とも関りがあるMSI検査の実施に際し、文書による説明・同意取得を希望されることが予想されます。日本家族性腫瘍学会では、薬物療法のコンパニオン診断としてのMSI検査を実施する際の説明文書・同意書の参考文書を作成し、ホームページに掲載しました。この説明文書・同意書(参考文書)を利用される場合は、各施設の倫理規範や診療体制等に合わせて適宜修正し、各医療機関の責任のもとでご利用ください。