マイクロサテライト不安定性(MSI)検査のホームページです
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リンチ症候群(HNPCC)の遺伝子診断を視野に入れたMSI検査説明

 MSI検査はリンチ症候群(HNPCC)の補助診断として行われる検査です。MSI検査が陽性の場合、次にリンチ症候群(HNPCC)の遺伝子診断の必要性が生じてきます。したがって、MSI検査を行う際にはリンチ症候群(HNPCC)の概要をお伝えし、補助診断としての位置づけを理解してもらう必要があります。

 

遺伝カウンセリングとは18,19)

 一部のがんは生まれつきの遺伝子の異常が原因で起きることが知られています。がんの遺伝カウンセリングでは、がんの遺伝について不安や疑問をもつ方(クライエント)を対象に、病歴や家族歴を詳しく聞き、遺伝性腫瘍の可能性や将来の発症のリスクを評価します。遺伝の可能性が疑われる場合は、早期発見や治療に役立つ方法についても相談します。
 遺伝カウンセリングは、遺伝学の知識とコミュニケーション力を持つ臨床遺伝専門医や臨床腫瘍医と認定遺伝カウンセラー、看護師などのコメディカルが担当します。
 遺伝カウンセリングでは、クライエントのお話をうかがいながら、自分自身で納得して医療を受けるために必要な情報を提供し、クライエントの意思決定や発病リスクなどへの適応を支援していきます。
 遺伝子診断は遺伝性腫瘍の診断に有用ですが、遺伝カウンセリングでは検査を受ける受けないに関わらず、クライエントがご自分で納得できるように支援します。また病気に関わる情報を他のご家族と共有するためのお手伝いをします。

 

遺伝子診断の結果解釈17)

 MSI検査で陽性「MSI-H」の場合、リンチ症候群(HNPCC)の遺伝子診断を検討します。遺伝子変異が見つかった場合には、リンチ症候群(HNPCC)と診断され、血縁者が同じ遺伝子変異を受け継いでいるかどうかを検査することができます。
 
ミスマッチ修復遺伝子の病的変異を確認したとき

 今後、大腸やそのほかの臓器の定期検査(サーベイランス)を行い、がんの早期発見・早期治療につなげます。定期検査(サーベイランス)については、「リンチ症候群(HNPCC)のサーベイランス」をご参照ください。
 患者さんの病的変異が確定した場合、血縁者が同じ変異を受け継いでいるかどうかを遺伝子診断で調べることができます。血縁者が同じ変異を受け継いでいれば、定期検査(サーベイランス)を受けることでがんの早期発見・早期治療に努めることができます。また、遺伝子診断の結果、血縁者に病的変異が認められない場合は、定期検査(サーベイランス)の必要性はなくなります。しかし、その場合も一般的ながんに罹患するリスクはありますので、がん検診を含め年齢に応じた健康診断が必要です。

 
ミスマッチ修復遺伝子の病的変異が確認できなかったとき

 技術的な理由による遺伝子変異の見逃しや他の原因遺伝子の存在も考えられますので、リンチ症候群(HNPCC)の可能性が完全に否定できるわけではありません。今後も患者さんや家族の定期検査(サーベイランス)が必要です。

   
  
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