一般の皆様
General public
網膜の細胞から生じたがん(悪性腫瘍)です。
腫瘍が成長し、眼球外へ浸潤したり、転移を生じると生命の危険を伴います。
分裂能力をもつ網膜細胞(網膜芽細胞)から生じるため、乳幼児期に発症します。成人の網膜細胞は分裂能力を持たないため、網膜芽細胞腫は発症しません。
片側性と両側性があり、2:1の割合です。両側性は転移ではなく多発しているということです。
国内では、毎年約70人が発症しています。
網膜芽細胞腫の原因遺伝子はRB1遺伝子です。
1細胞の中に2つのRB1遺伝子があります。両方の遺伝子がうまく働かない状態(変異)になるとがん化します。
遺伝性ではない網膜芽細胞腫は、網膜の1細胞で両遺伝子に変異を生じた場合です。他の細胞に変異がないので遺伝しません。
遺伝性の網膜芽細胞腫は、親から変異したRB1遺伝子を引き継いだ場合です。複数の細胞でもう一つのRB1遺伝子に変異を生じるため、多発・両側発症になります。網膜以外の細胞でも、RB1遺伝子の関与する肉腫などの関連腫瘍(二次がん)を発症することがあります。